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通学沿線、気になるあの人たち

全く忘れていたのに
ある時あることをふと、思い出すことがある。


学生時代、電車通学をしていた。

一駅毎に友人が乗ってきて、輪がどんどん大きくなる。
今思えば恐ろしく騒がしかったのではなかろうか。
あの頃はいつも自分たちだけしか見えず、話に夢中だった。

周りが見えていないけど、それでも
毎日毎日同じ電車に乗っていると、その電車の乗客の流れも分かってくる。
見知らぬ人だが、この駅ではあの人が下りる、ってのも自然と覚えてしまう。

そんな中でワタシたちをとりこにした人がいる。

ある時、友人がその人に気づいたのだ。
その人は、いや、その人というよりその人たちは
いつも革のジャンパーを着ていた。

お揃いのジャンパーだ。
二人とも小柄で、
どこをどう見てもコ汚いおじさんたちだ。

私たちが下りる一駅前で下車するのだが、
改札口には遠い車両に乗っているようで
二人は窓越しに私たちの目の前を通り過ぎる。


あれはホモのおじさんだ。


だれかが言い出した。


きゃ〜!!

それだけで大事件だ。
ホモだろうがなかろうがそんなことはどうでもいい。
そうかもしれない、と言うだけでもう目が離せない。


ある時はぴったりくっついて
ある時はケンカをしたのか一人がなだめ、
もう一人はプィッと横を向いて足早に歩く
翌日二人が手をつないで歩いていれば
あぁ、仲直りしたんだなと安堵した。

かなり長い時間、ワタシたちはこのホモのおじさんで楽しませてもらった。



卒業してから一度も話題にしたこともなかったのに
なんの脈絡もなくある日突然、
そう言えば・・・とアノ電車の光景が生き生きとよみがえったのだ。
思い出したときは衝撃的だった。
何十年の間一度も思い出さなかったことに驚いたのだ。
そして遠い思い出との再会に、一人で喜んだ。


けどもっと驚いたのが
このおじさんのことを友人に話したら
何一つ覚えていなかったことだ。
うそだ!
あれだけ一緒に笑ったじゃないか!!
いくら言っても反応はない。
挙げ句の果てに夢でも見たんじゃないかと言われる始末。


ホモのおじさんは本当にいたんだよ・・・。

by dorothy_pc06 | 2006-12-10 10:22 | どうでもいい