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金の魚

帰ってきて門を開ける時点で電話が鳴っていることに気がついた。



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あわてて鍵を開け、思い切ってブーツをはいたままでダッシュしても
たいがいセールスだったり、どうでもいい用事だったりする。
あと一歩のとこで切れても損した気分になるし、
急いだがために、足下で飼い主の帰宅を歓迎する犬ネコを蹴ってしまい
逃げ惑う彼らの上にこけてしまったら、いや、実際こけたことあるし、
そうなればこれはもう不幸の電話ではないか。

縁があることならまたかかってくるとか、ピンポンしにくるとか、
なにかアクションがあるはずさ。

あぁ、いつもセコセコしていたワタシも歳をとったものだわ。




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部屋に入った時にはすでに電話は切れ
録音されない留守電がツーツーと鳴っていた。

それにしても一体誰からの電話だっただろう。

もしかしたらすごく大事な話だったかも。
あるいはとても楽しいお誘いだったかも。
ちょっと走るのを怠けたために二度とこないチャンスの神様を
スルーさせてしまってたらどうしよう。

間に合わなかった電話はなんだかもったいない。
いじましいのか貧乏性なのか
逃した魚は大きくて純金製だったのでは・・とすら思えてくるョ。




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なんだか負けたような気がしながら着歴を追ってみる。
登録のない電話だ。
念のためケータイに入ってる番号でないか検索してみたり、
どうでもいいや、といいながら突き止めようとするのは
なんとなく見覚えのある番号だったからだ。

留守電に一瞬入っている息づかい、周りの気配。
ひょっとして知ってるとこからの電話かもしれない。
思い出せ・・・ミステリーならきっとここで疑惑たっぷりのBGMが流れてるはず。


結局、電話は年賀状が仕上がったという写真屋さんからの知らせだった。
確かに、いつも早口で前のめりにまくしたてるあのおじさんの鼻息だ。
しかも翌日は定休日だったって言うし、
商売ならメッセージくらい残しておかないか、ふつー。

パソコンがありながら、
これだけ毎日はんこ彫りながら、
年賀状は写真屋に出したものでいいのかなんてことはさておき、


やっぱりとれる電話には努力して出ておいた方がよさそうだな、
と反省しながら年賀状の仕上げにとりかかっている休日だ。





写真のけしはんをこちらにおいていただいてます。

by dorothy_pc06 | 2010-12-23 07:30 | つくる