住宅番組を観ていた。
ナビゲーターが素人の家を訪問し
凝りに凝ったこだわりを住人に語らせながら
家中を観て廻るってのだ。
定評のあるこの番組に出てくるお宅はどれもなかなかおもしろい。
オサレでモダン。
外壁や玄関の石から始まり素材のこだわりを主が熱く語っている。
いざ建てるとなると好みは異なるけど
知り合いの家にならこんなのあったらいいなって感じ家だ。
んが
たいがいこういう家は
住み心地をあまり追求していない、ような気がする。
もちろん実際に住んでる人には最適なのだろうけど、
階段が華奢ですべりやすそう
とか
2階の廊下が透明でスカート派のワタシはどうすりゃいいのさ
とか
踊り場の柵が隙間だらけで落ちそう
などなど。
想像しただけで恐ろしい。
子供の友達が遊びに来て柵を乗り越えて飛び降りる
なんてことは想定外なんだろうか。
それとも
こういうこだわりの家の子は大人しくて
この世にそんな子供がいるなんて思いつきもしないのか。
いや、
素敵な我が家を汚すかもしれない子供の友達は
もともとよんじゃいけないのかもしれない。
ところで
番組を観ていて耳にするのが
風通りと光の取り込みだ。
そりゃそうだ。
借景の
・・・こういうお宅は窓からの風景にこだわる・・・
隣の公園の木々を渡って入ってくる爽やかなに吹かれて
まったりと趣味に没頭できるためには必要だもの。
けど一抹の不安が・・・
風通りの良さは、イコール冬の寒さじゃないか。
雪の降るお正月にはここのお宅にはお邪魔したくないなと
知り合いでもないのに、密かに決意する。
こういうお宅はインテリアにもこだわっている。
とりあえず
なんて言葉は辞書にないし、
「安かったし、使いやすいし、軽いし、丈夫そうだし」
なんて発想もきっと実家を出て以来考えたこともないはずだ。
寝室のベッドや子供の食卓イスでもデザイン重視で
ちょっと角をぶつけたら小指が痛そうだ
なんて考えは持ってはいけない。
そういや以前、素人をファッションチェックする番組で
Pさんが
お洒落は寒くて暑いもの、
なんて言ってたな。
確かに、寒いからって体温に従って
春までダウンジャケットを着ていたら
かなり恥ずかしいしな。
お洒落は「我慢する」もんだって言ってたし。
オサレな家は
寒い、痛い、危ない
のは当然だ。
これって、単なるセンスのなさかひがみだな・・・。